こまもろうマークとは?日本版DBS認定の4つのメリットと取得の前提条件

こまもろうマークとは?日本版DBS認定の4つのメリットと取得の前提条件

日本版DBSの認定を受けた事業者は、「こまもろうマーク」を使用できるようになります。こども性暴力防止法にもとづく事業者マークで、マークには「こどもをまもろう みんなでまもろう」という言葉が添えられています。

学習塾やスポーツクラブなど、認定が任意となる事業者にとっては、「認定を受けると何が良いのか」が判断の分かれ目です。この記事では、こまもろうマークの使い方と、認定取得の4つのメリット、そして認定を受けるための前提条件を整理します。

1.こまもろうマークとは

こまもろうマークには、認定事業者用と法定事業者用の2種類があります。学校や認可保育所など法律上義務の対象となる事業者と、任意に認定を受けた民間の事業者とで、マークが区別されています。

認定事業者は、このマークを認定を受けた事業の施設に掲示できるほか、ウェブサイトやパンフレット、求人広告などにも表示できます。また、こども家庭庁のウェブサイト等で、認定事業者名や事業所名の公表が予定されています。

2.認定取得の4つのメリット

認定のメリットは、「外部」と「内部」、「攻め」と「守り」の組み合わせで整理すると、わかりやすくなります。

(1)ブランド・競争力の強化(外部・攻め)
「子どもの安全を守る事業運営体制が整っている」ことを、国の認定という形で保護者に示せます。特に口コミが入会の決め手になりやすい地域密着型の事業者にとっては、大きな信頼材料になり得ます。将来的には、自治体の事業受託などで評価される可能性も考えられます。

(2)募集・採用時のリスク軽減(内部・守り)
プライバシー保護との兼ね合いから、事業者が独自に応募者や在職者の性犯罪歴を確認することは難しくなっています。認定を受けた事業者は、制度にもとづいて適法に性犯罪事実の確認を行うことができます。

(3)損害賠償リスクの軽減(外部・守り)
万一、重大な事案が起きた場合、保護者から「なぜ認定制度に沿った運営をしなかったのか」と問われる可能性があります。認定基準を満たした体制を整えて運用していれば、安全確保のために必要な対応を講じていたことの説明材料になります。もちろん、認定は事案が起きないことを保証するものではありませんが、説明責任を果たすうえで役立ちます。

また、日本版DBSの周知が進むほど、保護者や子どもから「なぜ認定を受けていないのか」と説明を求められる場面が増えることも考えられます。認定を受けていれば、こうした問いに一つひとつ答える現場の職員の負担も軽くなります。

(4)職員の意識・スキル向上(内部・攻め)
認定の取得・維持に向けた研修や制度運用を通じて、職員の子どもの権利擁護への意識や、専門職としてのスキルの向上が期待できます。子どもの権利を尊重する方針が明確になることで、職員にとっても働き方の基準がわかりやすくなり、人材の定着やサービスの質の安定にもつながります。

3.認定を受けるための前提条件

メリットを検討する前に、確認しておきたい前提があります。

  • 事業が認定対象であること 学習塾などの民間教育事業では、技芸・知識の教授、6か月以上の期間、対面での実施、事業者が指定した場所、指導者3人以上という5つの要件をすべて満たす必要があります。
  • 欠格事由に当たらないこと 認定を取り消されてから2年を経過しない者や、こども性暴力防止法の規定により刑に処せられ5年を経過しない者は、認定を受けられません。ここでいう「刑」は、同法上の義務違反による刑罰を指し、一般の特定性犯罪の前科そのものではない点に注意が必要です。法人の場合、役員の中にこれらに当たる人がいると、法人全体として認定を受けられなくなります。
  • 必要な体制を整えられること 犯罪事実確認の実施責任者や情報の管理責任者の選任、規程類の整備など、法律で定められた取組みを実施できる体制が求められます。

4.メリットとコストを比べて判断する

認定を受けると、申請や認定後の帳簿の備え付け、定期的な報告などの運用が法律上の義務になります。申請手数料や研修にかかる費用も発生します。認定によって得られるメリットと、こうした負担を比べたうえで、経営判断として申請するかどうかを決めることが大切です。

まとめ

こまもろうマークは、子どもを守る体制が整っていることを、保護者や求職者にひと目で伝えるための手段です。ただし、マークの価値を支えるのは日々の運用です。形だけの認定にならないよう、制度を現場に根づかせていきましょう。

当事務所では、認定を受けるかどうかの検討段階から、申請、認定後の運用までをサポートしています。

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