日本版DBSの認定申請に必要な社内規程は? 4つの規程と2つの進め方

日本版DBSの認定申請に必要な社内規程は? 4つの規程と2つの進め方

認定申請で添付書類として求められる規程は、児童対象性暴力等対処規程と情報管理規程の2つです。ただし、実際に運用するには、就業規則と服務規程も合わせて整える必要があります。日本版DBS(こども性暴力防止法)の認定を受けるには、書類をそろえるだけでなく、事業所のルールそのものを整える必要があるためです。特に小・中規模の事業所では「どの規程から手を付ければよいのか」が分かりにくく、準備が止まってしまうことも少なくありません。この記事では、認定申請に向けて最初に整えておきたい4つの規程と、事業所の状況に合わせた2つの進め方を解説します。

認定申請に向けて整えたい4つの規程

認定申請にあたって中心となるのは、次の4つの規程です。

  • 就業規則
  • 服務規程
  • 児童対象性暴力等対処規程(対処規程)
  • 情報管理規程

このうち、認定申請の際に添付書類として求められるのは、対処規程と情報管理規程の2つです。一方、就業規則と服務規程は添付書類ではありませんが、スタッフに対して行動のルールを守ってもらい、万一の際に配置転換や懲戒などの対応を適正に行うための根拠になります。添付書類の2つだけを整えても、実際に運用できる仕組みにはならない点に注意が必要です。

対処規程と情報管理規程で定めること

対処規程は、こどもへの性暴力やその疑いがあったときに、事業所がどう対応するかを定める規程です。日常的な観察や面談などによる早期の把握、相談を受けたときの報告の流れ、事実の調査、こどもと接しない業務への変更などの防止措置、被害を受けたこどもの保護と支援までを、手順として定めます。

情報管理規程は、犯罪事実確認の結果などの非常に機微な情報を適切に管理するための規程です。情報を取り扱う人の範囲、閲覧できる人、保管の方法、廃棄・消去の手順などを定めます。どちらもこども家庭庁がひな型を公表していますが、そのまま使うのではなく、自社の事業内容や人員体制に合わせて調整することが大切です。

規程整備はどう進める?2通りの進め方

規程整備の進め方は、事業所の状況によって大きく2つに分かれます。

1つ目は「認定申請を優先するパターン」です。早く認定を受けたい場合は、まず上の4つの規程を整えて申請し、研修や相談対応など運用に必要な残りの規程は、申請後に整えていきます。

2つ目は「規程整備を優先するパターン」です。準備に時間をかけられる場合は、認定後の運用に必要な規程まで一通り整えてから、就業規則を変更して申請します。就業規則の変更が一度で済むため、二度手間を防げます。

どちらが正解ということはありません。スタッフの人数、準備にあてられる時間、認定を急ぐ理由などを踏まえて選ぶことが大切です。

どこでつまずきやすい?3つのポイント

1つ目は、規程どうしの言葉のズレです。複数のひな型を組み合わせると、「職員」「従業員」「スタッフ」のように同じ人を指す言葉が混在しがちです。言葉の定義がずれると、いざという場面でどの規程が誰に適用されるのかが曖昧になります。

2つ目は、雇用関係の有無です。役員、派遣労働者、業務委託の講師、ボランティアなどは、事業所と雇用関係がありません。就業規則はこうした人たちには直接適用されないため、契約書や誓約書、活動規約などで同じ水準のルールを守ってもらう工夫が必要です。

3つ目は、整備する順番です。先に就業規則を変えてしまうと、あとで他の規程と食い違いが見つかったときに、もう一度変更手続きが必要になります。服務規程や対処規程などの内容を固めてから、最後に就業規則を変更する順番にすると、手戻りを減らせます。

服務規程で「不適切な行為」を具体的に

服務規程では、スタッフが守るべき行動のルールを定めます。特に重要なのが、性暴力には当たらなくても、それにつながるおそれのある「不適切な行為」の範囲です。私的な連絡先の交換、業務上の必要のない1対1の状況、私物のスマートフォンでの撮影など、事業ごとに起こり得る行為を洗い出し、禁止するのか、条件付きで認めるのかを別表などにまとめておくと、現場で迷わずに済みます。

就業規則を変更するときの手続き

就業規則を変更する際は、労働者の過半数で組織する労働組合、または過半数を代表する者の意見を聴き、変更後の就業規則をスタッフに周知する必要があります。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、労働基準監督署への届出も必要です。認定申請のスケジュールを立てるときは、こうした手続きにかかる期間も見込んでおきましょう。

よくある質問

Q. 日本版DBSの認定申請に必要な社内規程は何ですか?

中心となるのは、就業規則、服務規程、児童対象性暴力等対処規程(対処規程)、情報管理規程の4つです。

Q. 認定申請の添付書類になる規程はどれですか?

対処規程と情報管理規程の2つです。就業規則と服務規程は添付書類ではありませんが、配置転換や懲戒などを適正に行うための根拠になります。

Q. こども家庭庁のひな型をそのまま使えますか?

ひな型は公表されていますが、そのまま使うのではなく、自社の事業内容や人員体制に合わせて調整することが大切です。

Q. 就業規則はどの順番で変更すればよいですか?

服務規程や対処規程などの内容を固めてから、最後に就業規則を変更すると、手戻りを減らせます。

Q. 就業規則の変更には、どんな手続きが必要ですか?

過半数労働組合または過半数代表者の意見を聴き、変更後の就業規則をスタッフに周知します。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、労働基準監督署への届出も必要です。

まとめ

認定申請に必要な規程は、添付書類の2つだけではありません。就業規則・服務規程を含めた4つの規程を、言葉の定義と適用範囲をそろえながら整えることで、認定後も無理なく運用できる仕組みになります。自社に合った進め方を選び、早めに準備を始めることをおすすめします。

あわせて、スタッフへの説明会などを通じて、新しいルールの意味を現場と共有しておくと、運用が定着しやすくなります。

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  5. GビズIDプライムの取得と事業者情報の登録
  6. 認定申請の具体的な手続き・書類・スケジュール
  7. 認定後に使える「こまもろうマーク」
  8. 性暴力の疑いが生じたときの事情確認

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