日本版DBSのマニュアル整備|整備すべき手順書と作成のポイント

こども性暴力防止法に基づく認定を受けた事業者は、犯罪事実確認や安全確保措置を適切に実施するために、各種マニュアル・手順書を整備する必要があります。本ページでは、整備すべきマニュアルの種類と、作成にあたってのポイントを解説します。

なぜマニュアル整備が必要か

法律が求める措置を現場で確実に実行するためには、担当者の判断に頼るのではなく、手順を標準化したマニュアルを整備しておくことが不可欠です。認定基準においても、犯罪事実確認を計画的かつ適切に実施するための責任者の選任と業務管理が求められています(規則第19条第1項)。

整備すべき主なマニュアル

1. 犯罪事実確認手順書

犯罪事実確認の一連の流れを定めた手順書です。以下の内容を含めます。

  • 確認のタイミング(新規採用時、配置転換時、5年ごとの再確認)
  • 従事者への事前通知の方法と内容
  • こども性暴力防止法関連システムでの交付申請手順
  • 確認書の受領・確認・保管の流れ
  • 特定性犯罪事実該当者であった場合の対応フロー
  • いとま特例(犯罪事実確認前に従事させる場合)の適用要件と必要な措置

2. 初期対応マニュアル

児童対象性暴力等の疑いが生じた場合の初動対応をまとめたマニュアルです。

  • 報告の受付・記録の方法
  • 被害が疑われる児童と加害が疑われる従事者の一時的な接触回避
  • 保護者への連絡方法・タイミング
  • 関係機関(警察、児童相談所等)への通報・相談の判断基準
  • 事実確認調査の開始手順

3. 防止措置実施マニュアル

犯罪事実確認の結果や調査結果を踏まえた防止措置の実施手順です。

  • 「おそれ」の判断プロセス(ガイドラインⅦ.2参照)
  • 特定性犯罪事実該当者への対応(対象業務からの排除、配置転換等)
  • 不適切な行為が認められた場合の段階的対応(指導→経過観察→厳格対応)
  • 懲戒処分を行う場合の手続き(弁明の機会付与等)

4. 情報管理マニュアル

犯罪事実確認記録等の管理に関する具体的な手順です。

  • 記録の作成・保管方法(物理的・技術的安全管理措置)
  • アクセス権限の設定と管理
  • 記録の廃棄・消去の手順(離職日等から30日以内に復元不可能な方法で廃棄)
  • 漏えい等発生時の対応手順(こども家庭庁へ直ちに報告)

5. 相談対応マニュアル

児童や保護者からの相談を受け付ける際の手順です。

  • 相談の受付方法(対面、電話、文書等)
  • 相談内容の記録方法
  • 相談者のプライバシー保護
  • 外部相談窓口への案内
  • 相談を受けた後の組織内報告フロー

6. 研修実施マニュアル

従事者研修の計画・実施・記録に関する手順です。

  • 年間研修計画の策定
  • 研修内容(8項目)の確認と教材準備
  • 新任者向け研修のスケジュール
  • 受講記録の管理方法

マニュアル作成のポイント

  • 具体的なフローチャートを活用する:判断の分岐点を明確にし、現場で迷わず対応できるようにする
  • 担当者・責任者を明記する:「誰が」「いつ」「何をするか」を具体的に記載する
  • 定期的に見直す:法令改正や組織変更に応じて内容を更新する
  • 全従事者が閲覧できる状態にする:保管場所を周知し、必要なときにすぐ参照できるようにする

定期報告との関連

認定事業者は、犯罪事実確認の実施状況、安全確保措置、情報管理措置について定期的にこども家庭庁に報告する義務があります(法第28条)。マニュアルに基づく運用記録は、定期報告の際の根拠資料となります。

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根拠資料

執筆・内容確認:田中義人(社会保険労務士・行政書士・公認心理師)
内容確認日:2026年10月13日(上記資料の最新版と照合)

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