【日本版DBS】認定取消しのリスクと対策

【日本版DBS】認定取消しのリスクと対策

今回は、認定取得後の「運用フェーズ」に焦点を当て、「認定の取消し」や「罰則」という最大のリスクがテーマです。


【日本版DBS】認定取消しのリスクと対策

2026年12月の日本版DBS(こども性暴力防止法)施行に向け、認定取得の準備を進める事業者が増えています。
しかし、ここで強調しておきたいことは、「認定はゴールではなく、適切な管理監督のスタートである」ということです。

苦労して取得した認定も、法律違反や運用不備があれば、国(こども家庭庁)によって「取消し」処分を受ける可能性があります。
もし認定が取り消されれば、その事実はインターネット上で公表され、保護者からの信頼は地に落ち、教室の存続そのものが危ぶまれる事態になりかねません。

本記事では、専門家の視点から、事業者が最も恐れるべき「認定取消し」の条件と、それを回避するための「継続的な運用管理」について解説します。

1. 認定取消しは「マネジメント力の不足」を意味する

認定事業者が法令違反等を犯した場合、内閣総理大臣(こども家庭庁長官)は認定を取り消すことができます。
単に「認定マークが使えなくなる」だけでは済みません。

事業者名の「公表」という社会的制裁

法律では、認定を取り消した際、その旨をインターネット等で公表しなければならないと定められています。
学習塾の多くが「口コミ」集客の割合が高いことはご周知のとおりです。
「あそこの学習塾は、安全対策に不備があって国から認定を取り消された」という情報が出回れば、生徒の退会や新規入会の激減といったリスクが高まることは言うまでもありません。

2. 認定が取り消される「4つの地雷」

では、どのような場合に認定が取り消されるのでしょうか。法第23条等に基づき、代表的な4つのケースを解説します。

ケース①:認定基準を満たさなくなった(体制の形骸化)

認定申請時には基準を満たしていても、その後の運用で実態が伴わなくなった場合です。

  • 安全確保措置の不実施:
    「年に1回の研修」や「定期的な面談」を実施せず、記録も残していない。
  • 情報管理の不徹底:
    責任者が不在になったり、鍵のかからない場所に犯歴書類を放置していたりする。

「申請書を出した時だけちゃんとしていた」という態度は通用しません。国による立入検査等で実態が暴かれれば、取消しの対象となります。

ケース②:確認義務を行わなくなった

日本版DBSの核心である「性犯罪歴の確認」をサボった場合です。

  • 「急いでいたから」と確認前に採用し、業務に就かせた。
  • 「昔からの知り合いだから大丈夫」と、特定の人だけ確認を省いた。

これらは明確な法律違反であり、認定取消しの正当な理由となります。

ケース③:虚偽の申請をした。

実態がないのに「ある」と見せかけて認定を受けたことが判明した場合です。
例えば、実際には存在しない相談窓口を記載したり、実施していない研修を実施したように装ったりする行為は、発覚次第、即座に認定取消しとなります。

ケース④:是正命令・適合命令に従わない

運用に不備が見つかった場合、いきなり取り消されるとは限らず、まずは国から「改善しなさい」という是正命令適合命令が出ることがあります。
これを無視したり、期限までに改善しなかったりした場合、悪質とみなされて認定が取り消されます。

3. 刑事罰もある「情報漏洩」の恐怖

認定取消しに加え、もう一つ怖いのが「刑事罰」です。
日本版DBSで扱う「犯罪事実確認書」などの情報は、極めて機微な個人情報です。これを漏洩させたり、不当に第三者に提供したりした場合、「1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」が科される可能性があります。

「うっかり」では済まされない

  • 飲み会で「あの先生、実は前科があって採用できなかったんだ」と話してしまった。
  • 犯歴情報の入ったUSBメモリを紛失した。

これらはすべて処罰の対象になり得ます。だからこそ、中小規模の事業者であっても、「物理的・技術的な安全管理措置」を定めた情報管理規程の策定と、厳格な運用が求められるのです。

4. 認定を維持し続けるための「定期報告」

認定事業者には、認定後も定期的な報告義務が課されます。
法律(法第28条)に基づき、以下の事項を帳簿に記録し、保存・報告しなければなりません。

  1. 犯罪事実確認の実施状況:
    誰に、いつ確認を行ったか。
  2. 安全確保措置の実施状況:
    研修や面談をいつ実施したか。
  3. 情報管理の状況:
    記録の廃棄やアクセスログの状況。

これらを毎年(または一定期間ごとに)国に報告する必要があり、報告を怠ったり虚偽報告をしたりすれば、これも認定取消しの事由となります。

まとめ:運用には「外部の目」が必要

ここまでお読みいただき、「認定を取るより、維持する方が大変そうだ」と感じられたかもしれません。その通りです。日本版DBSは、一度導入すれば終わりではなく、「終わりのない安全管理」を続ける制度です。

学習塾やスポーツクラブの現場で、日々の指導業務に追われながら、これらの厳格な管理を自社だけで完璧に行うのは困難と感じられるケースが多いのではないでしょうか

当事務所の「認定維持・監査サポート」

当事務所では、認定取得の代行だけでなく、認定後の「運用維持」も支援します。

「認定を取り消されるリスク」をゼロに近づけ、保護者からの信頼を盤石にするために。
まずは、現在の体制にリスクがないか、無料診断をご利用ください。


※本記事の内容は、令和8年1月27日現在における下記の資料に基づいたものです。

・こども性暴力防止法施行ガイドライン
・横断指針

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