日本版DBS|犯罪事実確認の手続きと事業者が守るべき期限

日本版DBS|犯罪事実確認の手続きと事業者が守るべき期限

こども性暴力防止法(日本版DBS)における犯罪事実確認とは、犯罪事実確認書により従事者が特定性犯罪事実該当者であるか否かを確認する手続きです。対象事業者は原則として、従事者が対象業務を実際に行う日までにこの確認を完了させる必要があります(法第4条・第26条)。制度全体の概要については、こども性暴力防止法の概要で確認できます。(出典:こども家庭庁「こども性暴力防止法・ガイドライン」

犯罪事実確認の手続きと本人の権利保護

犯罪事実確認の実務は、従事者本人の権利保護に配慮した厳格な手順で進められます。

  • 対象事業者が、システムを通じてこども家庭庁に交付申請を行います。
  • こども家庭庁の求めに応じ、法務大臣が特定性犯罪前科の有無を確認して回答します。
  • 照会の結果、特定性犯罪事実に該当すると認められる場合は、事業者に確認書が交付される前に、まず本人に対して該当の旨が通知されます。本人には一定期間内に登録内容の訂正を請求できる機会が法的に保障されており、訂正請求期間の経過や、請求があった場合の処理を踏まえて事業者へ確認書が交付されます。
  • 事業者は受領した確認書の内容を確認し、必要に応じて配置転換などの防止措置を講じます。

犯罪事実確認の期限一覧

犯罪事実確認には、事業者の種別や従事者の区分に応じた期限が定められています。確認期限とは単に申請を行う期日ではなく、確認書を受領して確認を完了させる期限を指すため、手続きにかかる日数を考慮して計画的に進める必要があります。

学校設置者等(義務対象事業者)の確認期限

従事者の区分 確認の期限
新たに従事させようとする者 業務を行わせる日まで(原則)
施行時現職者 施行日から3年以内(令和11年12月24日まで)
確認済みの従事者(再確認) 確認日の翌日から起算して5年を経過する日の属する年度末まで

認定事業者等の確認期限

従事者の区分 確認の期限
新たに従事させようとする者 業務を行わせる日まで(原則)
認定時現職者 認定等の日から1年以内
確認済みの従事者(再確認) 確認日の翌日から起算して5年を経過する日の属する年度末まで

新規採用における原則といとま特例の扱い

新規に従事させる者については業務開始前の確認完了が原則ですが、急な欠員等の法令に定めるやむを得ない事情がある場合に限り、例外として従事開始から原則3か月以内(一定の事由がある場合は最長6か月以内)の確認が認められます(法第4条第2項・第26条第2項)。この「いとま特例」は、単なる日常的な人手不足や準備不足によって無条件に適用できるものではありません。

いとま特例が認められる主な事由

  • 予見できない欠員の発生に伴う緊急採用
  • 予算成立の時期など、事業者の責めによらない事情で異動決定が直前になった場合
  • 労働者派遣契約の締結遅延など事業者の責めに帰さない事由
  • 新設合併・吸収合併等の組織変更に伴う引き継ぎ
  • 十分な余裕をもって交付申請したものの交付が間に合わない場合

いとま特例適用期間中の安全確保措置

いとま特例を適用して業務を開始させる場合でも、確認書が交付されるまでの間は、その従事者を特定性犯罪事実該当者とみなして必要な安全確保措置を講じる義務があります。

  • 原則として対象従事者を子どもと一対一の状況にさせないこと
  • 特例適用の趣旨や性暴力防止に関する研修を事前に受講させること
  • 管理職や責任者による定期的な巡回・状況確認を行うこと

確認手続きの開始時期と短期従事者への対応

犯罪事実確認の申請は、対象者がその業務に従事することが確定した段階(内定や配属決定など)で行うことが可能です。なお、座学による事前研修やオリエンテーションのみで子どもに直接接しない期間は、法律上の「業務を行わせる」状態には該当しません。

有期雇用やスポットワーク、ボランティアなどの短期従事者であっても、子どもと接する対象業務に就く以上は確認が必要です。ただし、その期間内に再度従事する可能性があることをあらかじめ双方で確認し、上限6か月の範囲で意向確認書面を取り交わしておくことで、その期間中は確認記録を保持でき、契約のたびに確認を繰り返さずに済む仕組みが用意されています。

事業者が押さえるべき実務の留意点

  • 交付申請は、法関連システムを介してオンラインで適切に行います。
  • 審査期間を想定し、業務開始日に間に合うよう余裕をもって申請手続きを進めます。
  • いとま特例を適用する場合は、該当するやむを得ない事情を客観的に証明する記録を保存します。
  • 現職者の確認は期限間際に集中させず、年度ごとに計画を立てて分散して実施します。
  • 確認書や照会履歴は、定められた情報管理措置に従って厳格に取り扱います。

犯罪事実確認は、子どもと接する現場における性暴力の未然防止を支える基本的な手続きです。事業者は対象者ごとの期限を正確に把握し、計画的に準備を進めてください。

※本記事の内容は、令和8年3月29日時点におけるこども性暴力防止法施行ガイドラインおよび横断指針の公表資料に基づいています。

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