日本版DBSの認定維持|定期報告・帳簿・内部監査・認定取消しの要件

こども性暴力防止法に基づく認定を取得した後は、認定を維持し続けるための継続的な運用管理が求められます。本ページでは、定期報告義務、内部監査の実施、認定取消しの要件について解説します。

定期報告の義務

法的根拠

認定事業者等は、認定日から1年ごとに、こども家庭庁に対して定期報告を行う義務があります(法第28条)。学校設置者等(義務対象事業者)については、毎年5月31日までの報告が求められます(法第15条第2項、規則第16条第2項)。ただし、施行直後の令和9年(2027年)は報告がなく、初回の期限は令和10年(2028年)5月31日です(規則附則第3条)。

報告事項

定期報告では、以下の3領域について実施状況を報告します。

  1. 犯罪事実確認の実施状況:確認の実施件数、未実施の有無と理由
  2. 安全確保措置の実施状況:研修の実施状況、早期把握・相談体制の運用状況、防止措置の実施状況
  3. 情報管理措置の実施状況:情報管理規程の遵守状況、記録の廃棄状況

報告はこども性暴力防止法関連システムを通じてオンラインで提出します。

報告の留意点

  • 報告期限の遅延や虚偽報告は認定取消しの対象となり得る
  • 帳簿の未作成・虚偽記載は50万円以下の罰金(法第46条)

帳簿の備付け

対象事業者は、犯罪事実確認の実施状況を記載した帳簿を毎年度作成し、作成した日の翌日から5年を経過する日が属する年度の末日まで保存する義務があります(法第15条第1項・第28条第1項、規則第15条・第28条)。帳簿には主に次の事項を記載します。

  • 犯罪事実確認の対象となった人の一覧
  • 一人ひとりの離職・従事の状況と、従事を始めた日
  • 犯罪事実確認の期限と、確認書の確認日・受領日
  • 犯罪事実確認の前に従事させた場合(いとま特例)は、その事情と講じた措置

研修の実施記録や相談の受付・対応記録は帳簿の記載事項ではありませんが、認定事業者の定期報告では研修や相談体制の実施状況も報告するため、あわせて記録しておくと報告の準備が進めやすくなります。

内部監査の実施

認定維持のためには、定期的な内部監査により運用状況を自己点検することが重要です。

監査の頻度と対象

頻度は法令で決められていませんが、当事務所では半期に1回(年2回)の内部監査をおすすめしています。主な点検項目は以下のとおりです。

  • 犯罪事実確認の実施状況(期限管理、未実施の有無)
  • 研修の受講状況(全従事者が受講済みか)
  • 相談窓口の受付記録(適切に対応されているか)
  • 情報管理規程の遵守状況(アクセス記録、廃棄記録等)

施設監査

施設の点検も、年1回以上行うことをおすすめします。以下の観点で点検を行います。

  • 死角・密室の有無と対策状況
  • 防犯カメラの稼働状況
  • 施設改修後の安全確認

是正対応

監査で不備が発見された場合は、速やかに是正措置を講じ、記録を残します。是正措置報告書には、発見日、原因分析、改善策、実施期限、結果確認を含めます。

報告徴収・立入検査

こども家庭庁および所轄庁は、事業者に対して報告徴収および立入検査を行う権限を有しています(法第16条、法第29条)。報告の求めを拒否したり虚偽の報告をした場合は、50万円以下の罰金に処せられます。

認定取消しの要件

こども家庭庁は、以下の場合に認定を取り消すことができます(法第32条)。

  • 認定基準に適合しなくなったと認めるとき
  • 不正の手段により認定を受けたとき
  • 法律の規定に違反したとき
  • 是正命令に従わないとき

認定が取り消された場合、取消しの日から2年間は再度の認定を受けることができません(法第20条第2項第1号)。取消しの事実はこども家庭庁のウェブサイトで公表されます。

廃業時の対応

認定事業を廃止する場合は、あらかじめ、廃止しようとする日などをこども家庭庁に届け出ます(法第31条第1項、規則第30条)。廃止により認定事業者に当たらなくなったときは、保有するすべての犯罪事実確認記録等を、その日から30日以内に廃棄・消去しなければなりません(法第38条第3項)。

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根拠資料

執筆・内容確認:田中義人(社会保険労務士・行政書士・公認心理師)
内容確認日:2026年10月13日(上記資料の最新版と照合)

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